発言したい、積極性を出したい人材求めています【BASFジャパン株式会社】

BASFジャパン株式会社 コーティングス事業部 自動車塗料部 カスタマイゼーション 倉田 亮 氏
埼玉工業大学 卒業
BASFジャパン株式会社コーティングス事業部自動車塗料部カスタマイゼーション。埼玉工業大学で有機化学を専攻した後、2002年BASFと日本油脂株式会社(現:日油)との合弁会社日本油脂BASFコーティングス(現:BASFジャパン)に入社。入社後、一貫して自動車塗料に携わる。
ドイツに本社を置く世界をリードする総合化学会社BASFの日本法人BASFジャパン株式会社。国内では化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品の四分野で事業を展開している同社の中核事業の一つである自動車塗料事業を通じて、BASFの求める人材、そしてその育て方について話を聞いた。
1.幅広いことができ、付加価値も高い塗料の世界
― BASFにはいつ入社したのですか?
倉田氏:
2002年に入社しました。当時塗料部門は、BASFと日本油脂(現:日油)が合弁で作った日本油脂BASFコーティングスという別会社でした。学部を卒業した後に、そちらの会社に入社しました。
― 学生時代はどのように過ごしていたのですか?
倉田氏:
大学では高分子の合成を研究していました。ポリマー合成の際に、フッ素成分を負荷させることができるかというのが研究テーマでした。また体育会のバトミントン部にも所属していました。
― 当時進路についてはどのように考えていたのですか?
倉田氏:
大学院に進学することも少し考えたのですが、就職して自分にできることを増やしたり、仕事をしながら考えていった方が自分にとってプラスになるのではないかと思い、就職することにしました。
― 具体的にはどのような就職活動をしたのですか?
倉田氏:
とにかくモノ作りに携わりたいという希望が強くあったので、メーカーを中心に活動しました。他方面、できるだけ業種や職種は絞り込まないようにしました。色々幅広く会社を研究し、化学薬品、建物系の内装部品など様々な会社の説明会やフォーラムに参加しました。
― BASFはどのように知ったのですか?
倉田氏:
就活サイトの一つで説明会の情報を見つけました。当時は日油との合弁会社(日本油脂BASFコーティングス)であり、BASFのイメージよりも日油のイメージの方が強くありました。
― BASFのどういったところに興味を持ったのですか?
倉田氏:
やはりモノ作りに携われるところです。事業として自動車や工業系の塗料を扱っているわけですが、色は目に見えてパッとわかります。説明を聞いていてもとても明確にイメージが湧きましたし、塗料というもの自体私が認識していたよりも幅広い性能を求められる付加価値のあるものだと知り魅力を感じました。
2.2年目には1年間の海外実習
― BASFのどのようなところにやりがいを感じて入社を決めたのですか?
倉田氏:
塗料の魅力に加え、入社が決まれば開発部門に配属になるとわかっていたところです。モノ作りに携わりたかったのですが、大卒ということもあり他社ですと営業やサポートに配属されるというイメージが強くありました。
― 採用はどのようなプロセスで行われるのですか?
倉田氏:
私が入社した頃と現在は少し違うので、現在の話をさせてください。まず会社説明会があり、その後一次面接があります。こちらの面接は人事面接です。それからWebでの適性検査を経て、当該部門のマネージャーと二次面接を行います。それから私の所属するコーティングス事業部に関しては、英語でのプレゼンテーションやディスカッション、ロールプレイングがあります。そこで同時に部門長との三次面接(英語)があり、内定が決まります。
― 英語でのプレゼンテーションや面接があるのですね?
倉田氏:
はい。というのも、現在行っている新卒採用での募集は、特別なプログラムを組んでおり、研究開発、技術サポート、生産管理といった職種で、将来ご活躍いただけるような『エキスパートな人材』を育成しようとしているからです。具体的には2年目に1年間海外経験を積んで頂く予定になっています。入社して1年目は塗料の基本的な知識を身につけて頂くと同時に、日本国内の社内ネットワーキングをしてもらいます。そして2年目にドイツを中心とした海外に行って頂きOJTを行います。具体的には海外での塗料開発の経験や、海外でのネットワーキングを行って頂きます。そして日本に帰国した3年目から本格的な業務に従事してもらいます。
― かなり手厚いトレーニングプログラムですね。
倉田氏:
はい。これまで即戦力である中途採用が中心だったのですが、今はがっつり数年間かけて育てていこうと力が入っています。その表れがこのエキスパート人材プログラムです。
3.英語はできた方が良い?
― かなり英語ができないと難しそうな印象を受けるのですが?
倉田氏:
必ずしもそうとは限りません。優秀な人材であれば、英語のスキルがそれほど高くなくても採用しているケースもあります。実際、ポジションによっては、応募要件に英語力(TOEICの点数など)を求めていない場合もあります。しかし、英語力を磨けば、エキスパート人材プログラムへの道も開けますし、日本に限らず海外を含めて幅広いキャリアパスを描けるチャンスがあります。これはBASFがグローバルカンパニーであることの特長といえます。
― 英語以外の面でも、BASFが外資系ということで躊躇してしまう人もいるかも知れません。
倉田氏:
塗料事業の現場では日本人が圧倒的に多いため、外資系ということをあまり意識しないでいられる環境です。しかし、日本での経営上の考え方や成長戦略はグローバル共通の方針に基づいており、常にBASFグループの一員としての役割を担っているため、日本にいながら、グローバル企業ならではのスケールを感じることができます。これは日本にある外資系企業の楽しさでもあると思います。
4.多様性が生み出す前向きなカルチャー
― BASFの社風はどのように表現しますか?
倉田氏:
一つの大きなポイントが多様性です。日本人が多いとは言え、さまざまな国籍の人、考え方の人が働いています。また事業も塗料だけでなく、さまざまなものを行っています。色々なことが日々起きる中で、いかに相手の考えを理解し、答えをだすなり協力していくなりする会社で、そういうところは面白いと思っています。
またライフワークバランスについてもよく考えているように感じます。BASFには労働組合がありますが、組合と経営陣は対立するのではなく、いかにしたらBASFがよりよい会社になるかを考えながらともに歩みましょうというスタンスでおり、従業員にとって働きやすい環境かと思います。
5.新色の開発には2年も!
― 次に倉田さんの業務について聞かせてもらえますか?
倉田氏:
はい、現在は自動車メーカーのラインサポートをしています。具体的には新車を販売する際などの新色の立ち上げですとか、機能性塗料の開発のサポートをしています。いわばお客さまと研究開発の橋渡し的役割です。技術サポートということになりますが、実際はメインで改良開発にも携わっていくので、幅広い塗料全般の知識が要求されます。
― 具体的なプロジェクトの例を挙げてもらってもいいですか?
倉田氏:
はい。たとえばある自動車メーカーから新車の発売に伴って『鮮やかな彩度の高い色』の塗料を開発して欲しいといったような開発コンセプトに合ったターゲット(目標)を頂きます。その後新色を構成するための塗膜構成や使用する原料などを決め、それがお客さまのお持ちの塗装ラインでうまく塗れるかを検証・考慮した上で、お客さまのコンセプトに近い色、ターゲットに合わせられるよう努力していきます。
― 開発にはどれくらいの期間を要するのですか?
倉田氏:
おおよそ2年くらいです。上記の作業に加えて、塗料の採用が正式に決まった後でもお客さまのラインでの調整など作業が発生してくるので、早めに始動します。
― そうしたプロジェクトはどういうところがチャレンジになるのですか?
倉田氏:
最近の塗色は彩度の高い赤やオレンジなどが増えてきています。そういった色は従来の技術だけだと再現しきれないことが増えています。そこでいかに新しい材料を探し、新しい塗装方法やシステムをお客さまに提供できるかを日々考えています。その際、無理に発色をよくすると、お客さまのラインに持っていったら塗ることができないという可能性もあります。実質の開発期間は1年くらいなので、色と性能のバランスを、お客さまと相談しながら最適解を見つけていくチャレンジがあります。
6.製品に対して求められる柔軟性
― そうした業務にはどのような方が向いていると思いますか?
倉田氏:
もちろんコツコツ根気よくやれるというのは大切な資質です。しかし黙々と作業をしているだけでは、この仕事は続きません。塗料というのは中間製品なので、納品したら終わりというわけにはいきません。お客さまの環境条件下で変わっていく要望に対して、どれだけ柔軟に対応できるかというのが大切になります。そのためには頭の回転の速さやコミュニケーション能力が高い方が向いていると思います。
7.答えは一つではありません。あなたの知識や持ち味を積極的に!
― 具体的にはどのような学生に来て欲しいですか?
倉田氏:
塗料は本当に色々なことができます。その分、答えは一つではありません。決まった正解を探す作業ではないので、自分の知識や持ち味を積極的に出してくれる人材に来て欲しいと思っています。これまでは色の出し方やトラブル対応など、経験に頼って仕事をすることが多くありました。そういう意味では個人商店的な働き方をする側面も強かったのですが、そうした個人のスキルや経験値はなかなか継承することができません。世の中の流れと同じく塗料業界も働くひとの平均年齢が高く、ひとの入れ替わりが多くなり、スキルや経験が十分に引き継げない可能性があります。そうした中で経験を補えるものはアイディアやひらめきだと思っています。すべてのアイディアやひらめきが採用されるとは限りませんが、それでも萎縮せずに発言してくれる方をBASFは必要としています。
8.発言したい、積極的にいきたい学生求む!
― BASFを目指す学生にメッセージはありますか?
倉田氏:
BASFは一人ひとりが非常にやりがいを持てる会社です。発言をすれば聞き入れてもらえます。逆に発言をしないと単なる作業員で終わってしまうかもしれません。発言をすると皆から注目され、受け入れてもらいやすくもなります。組織ではありますが個人の自主性を尊重している会社です。自分を出せば出すほどやりやすくなります。やろうと思えばどんなことでもできる会社だと思っています。
これまで中途採用が多かった塗料部門としては、この先何十年も一緒にやっていける仲間に入ってもらい若返りを図りたいと思っています。塗料に関する知識がなくてもかまわないので、どんどん発言していきたい、積極性を出していきたいという方は、是非興味を持って頂ければと思います。
― ありがとうございました。(了)
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